ブルーカーボンへの期待と海藻養殖の広がり | 海藻が海の環境を支える理由
地球温暖化対策として、世界中でCO₂排出量の削減やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが進められています。
また、大気中のCO₂を積極的に吸収・固定するネガティブエミッション技術への関心も高まっています。
そのような中、CO₂吸収に加え、海洋生態系の保全や資源循環への貢献が期待される取り組みとしてブルーカーボンが注目されています。
1.ブルーカーボンとは?
2009年に国連環境計画(UNEP)の報告書において、海洋生態系に取り込まれた炭素がブルーカーボンと定義されました。
一般的な森林による炭素固定はグリーンカーボンと呼ばれますが、ブルーカーボンは海洋生態系が担う炭素固定を指します。海藻や海草などが成長する過程でCO₂を吸収し、その一部は海底へと蓄積されます。この炭素が「ブルーカーボン」と呼ばれています。
海藻が繁茂する藻場はブルーカーボン生態系として機能し、CO2吸収源となるだけでなく、多様な生物の生息環境を支える役割も担っています。
参考…ブルーカーボンに関する日本の取り組み|環境省
2.なぜ今、ブルーカーボンが注目されているのか?
世界各国では2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組みが進んでいます。温室効果ガス排出削減だけでなく、大気中のCO₂を吸収・固定する「ネガティブエミッション技術」への期待も高まっています。
その中でブルーカーボンは、海洋空間を活用できる・生態系回復と両立できる・海藻・海草の維持管理と組み合わせられるといった点から注目されていますまた、ブルーカーボン関連市場は海外でも拡大が見込まれており、海藻産業そのものへの関心も高まっています。
3.海藻が果たす役割
CO₂吸収と炭素固定
海藻は成長過程で光合成を行い、CO₂を吸収します。
海洋全体は地球規模の炭素循環の中で重要な役割を担っており、海藻の増殖や藻場の維持はブルーカーボン拡大の取り組みとして期待されています。
藻場がもたらす環境価値
海藻が群生する藻場は、炭素固定だけでなく多様な生物の生息環境としても重要です。
藻場の保全や再生は、海洋生態系の維持・水域環境の改善・漁場環境の形成などにもつながると考えられています。
4.ブルーカーボンを支える海藻養殖
海藻養殖の広がり
ブルーカーボンへの関心の高まりとともに、海藻養殖への注目も広がっています。
国内では自治体、大学、研究機関、民間企業などが連携し、藻場造成や海藻養殖に関するさまざまな取り組みが行われています。
また海外でも海藻の食用途だけでなく、環境価値や新産業創出の観点から新たな海藻利用が検討されています。
養殖資材が生育環境に与える影響
海藻養殖では、種糸やロープ、網などの養殖資材が利用されます。
海藻が生育するためには、海中で安定して海藻を保持できることに加え、胞子の着生や初期成長を支える環境づくりも重要になります。
養殖技術の高度化に伴い、海藻そのものだけでなく、養殖資材への関心も高まっています。